OA-LightIII

半年ほどちょこちょこいじってきて、ちょっと長所短所がみえてきたので再度整理。

参考

誰でも簡単に、導入日から利用できるGISアプリケーションソフト”をキーワードに、GIS特有のユーザインターフェースをできるだけ廃し、通常のパソコンソフトに近いインターフェースを採用しております。また、できるだけ多くのユーザに親しんでもらえるよう、基本的な地図検索・表示から、専門的アプリケーションにも見られる台帳管理・図形描写・条件検索まで、すべて標準搭載しています。また、市場の運用環境や開発環境の動向を考慮し、Microsoft.NETテクノロジーを採用しています。

http://www.g-mark.org/award/detail.html?id=31115&lang=ja&sheet=outline

だそうで。

悪いところ

操作性の独特感。

Windowsだとメニューの一番左は「ファイル」、一番右は「ヘルプ」、検索は「Ctrl+F」みたいなWindows標準のUIデザインがされていない。
日ごろからWindowsを使ってる人が、考えて作ったUIとは思えない。ヘンテコなパレットが無駄に場所をとって邪魔。
以前ここで、環境省の面的評価支援システム並に使いにくい、って書きましたが、面的評価支援システムと同じ、カーネルという会社が開発したようです。面的評価支援システムがHAPSキーっていうUSBドングルを採用しているのに対して、OA-LightIIIはハードウェアキーとかないんですけど。面的評価支援システムと同じ、というより、面的評価支援システムの方が、OA-Lightに中外テクノスの騒音予測システムを乗っけたものなのかもしれません。
面的評価支援システムはバージョンアップしたら、推計値が10dB変わったりする、結構お茶目なソフトです。10dBは無いわ・・・何倍ですか?w
しかも環境省とサポートセンターの対応が糞だし。

GIS」に分類されるべきソフトじゃない。GISとして見ると、機能的に非常に貧弱。

正直、このソフトをGISと呼ぶのは抵抗がある。
OA-LightIIIは「地図情報システム」であって、「地理情報システム」じゃないと考えた方が良さそうです。

データのやり取りが面倒。

PCの内部(C:\Program Files\なんとかなんとか)にユーザデータを、任意のフォルダ(まあ例えばC:\OA-Light\Data など)の中に地図データをAccess(mdb)等で持ってしまうため、となりのPCとデータやり取り、などが面倒。
データの型も厳密ではなく、データベースとして見ても、曖昧過ぎて使いにくい。一応テキスト、数値型、くらいの形は有るが、データベースというよりExcelのような感じで、csvでインポート・エクスポート可能なデータをほかのPCにテキストのままインポートして数値として検索しようとしたら、テキスト型になっちゃってるのでできない、など
ユーザが描画した画像をエクスポート、インポート出来ない。mdbを操作すれば出来るのかもしれないけど、素人さんには出来ない。これはちょっとどうかと

良いところ

ただの住宅地図として使う

事務所などで使ってるゼンリンの住宅地図の代わり、と考えると結構使えます。お高いけど。
ただ、住宅地図のなんページに乗ってる、等の情報が欲しかったけど。

官公庁などで台帳として使う

住宅地図ベースの台帳システム、と考えると、これも結構いいかもしれない。
GISは図形に属性が張り付いてるのが普通ですが、これはカード型データベースと図形をリンクする形で、データを管理します。
地図上の図形にリンクしていない図形もあり。
ただ、結局属性データは内部に持つしかなく、どこかのExcelAccessSQLServerから主キーでデータを引っ張ってきて表示、という使い方はできないので、正直あまりデータを入れたくない。(DBMSのデータもOA-LightIII上のデータも両方更新しないとダメなので。まるで第1正規化できてないテーブルみたいですな。)

写真も登録できますが、写真が登録できる、というより、写真のパスを登録可能、登録した写真を表示可能、といった所。指定した写真を勝手にリネームしてOA-LightIIIのデータフォルダにコピー、とかまでして欲しかった。ユーザが管理し出すと登録されているのかされていないのか分からないフォルダや、デスクトップのファイルを登録した後ファイルを消しちゃって、意味のないパスだけが残った、ということになってしまう。

GISと違うところ

GISと違う。というより、図形ありき、じゃなくてあくまで住宅地図ありき、住宅地図上の家枠ありき、なシステムなんです。
町丁目に世帯数を数えたい、とか、50cm水没する場合に被害を受ける世帯数を数えたい、とか思っちゃダメ。
地図ソフトじゃなくてGISが欲しいんだ、という人はSISとZMapTown2を買いましょう。


結局、GISじゃなくて電子住宅地図+台帳システム、と割り切れば結構使える、という感じでしょうか。